この話は、今から20年くらい前に経験したことです。
「助けて下さい」
電話に出ると突然言われました。
「助けて下さい、今息子が手術中です。何をすれば良いですか?何でもします。何をすれば良いか教えて下さい。19歳の息子が、バイク事故にあい今手術中なのです。覚悟するようにと言われました。嫌です。助けて」と取り乱したお母さんが泣きながら訴えてきました。
人の命がいつ終わるのか、私には分かりません。
お母さんの気持ちも良く理解できます。
「分かりました。状況が良く分かりましたから、深呼吸をしましょう。吐いて~、吸って~。 吐いて~吸って~を繰り返すと、やや落ち着いてきます。それでは、息子さんのお名前と生年月日を教えて下さい。」
「えーと、えーと、ちょっとお待ちください・・。」
「えーと」と言いながら
「長男で○○です。生まれは・・えーと平成、えーと」
お母さんは、「大丈夫、大丈夫」と自分を落ち着かせながら伝えてくれます。
息子さんの名前と生年月日を書き留めます。
次にご両親のお名前も。
さて、どのようにお伝えしていくかと考えた瞬間、ドラマのように今まで見えていた背景が変わり、ズームのように白い着物の神様のような存在が映し出されました。
つづく