亡くなった方との会話(3)

セミナー会場で、祖母が自分に会わずに亡くなった理由を聞き、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしているご相談者さん。

その後ふと、我に返ったように、

「じゃあ、おばあちゃんは私が、ここに来ることも分かっていて、先にここに来ていたのですか?」

「はい。今日ここに貴女を向かわせたのはおばあちゃんだそうです。何故なら貴女はおばあちゃんの事以外にも、自分のことで心配事がありますね。それでその心配事も、解決させようとしています。おばあちゃんの事で納得したら、あなたは信頼して相談するだろうと言っています。今までずっと悩んでいたことは何ですか?」

「ええっ、何で分かるんやろう!!実は私、外出恐怖症なんです。今日は、おばあちゃんに謝りたくて頑張ってここまで来れましたが、いつもは絶対無理なのです。」

会場でのやり取りには時間に限りがありますので簡単な説明になりますが、彼女は、今まで自分が外出できない理由は、鼓動が早くなり苦しくなったり、すぐにトイレに行きたくなるので、肉体的な問題だと思っていました。

・・・彼女を透視した結果、その理由が精神的なこと、しかもOL時代の、とっくに忘れていた仕事に関連したことが原因だったと分かった時、彼女の顔がパーッと明るくなりました。

人間は、誰でも無意識のうちに自分を傷つけまいとし、或いは守ろうとして、思いがけない行動にでます。彼女は今まで必死で何かから自分を守ってきました。

しかし時間が過ぎると、自分は何故外出が出来ないのか分からなくなります。時間が経つにつれて顕在意識は忘れてしまうからです。

この行動は、その行為が大きいか小さいかの違いだけで、誰にでもあることです。詳しく説明すると「分かる~」とあちこちから声が聞こえてきます。

セミナー会場で、彼女は自分の悩みは「潜在意識」、つまり脳の記憶からくる心配だったのだと理解し、それは過去の事で今は関係無いのだ、と分かったようです。

彼女の亡きおばあちゃんは、そのことを孫が理解したと分かると、彼女の背の後ろ側で大きく頷いて、手のほこりを払う様に両手を叩いて、立ち去りました。その後ろ姿は「これで一件落着」といった様子。

そして一瞬振り向きざまに、白河に笑顔を向けられました。

「やったね!!」

茶目っ気のある可愛いらしいお顔です。

「○○さん、おばあちゃんは、茶目っ気たっぷりで、威勢の良い方だったのですね?」

「はい、そうです。大好きだったんです。今日からはおばあちゃんのことを思い出しても、笑って話せます。『私が着く前に逝っちゃったのね。そして私の悩みを解決しに来てくれてありがとう』と。」

つづく

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