不思議な話・・・まるで映画ゴースト(1)

あれは、いまから数十年も前のこと、まるで映画の中のような経験をしました。

毎日の仕事、家事、親戚付き合いも含め人間関係に疲れ切っていた私は、車を走らせ小高い丘の一画で車を止めました。

そして、運転席のシートを倒し目を閉じました。

「ああ、もう嫌だ。私が動くことで誰かが助かればと思って生きてきた。私は心も体もすり減らしている。もしかしたら今、誰も私のことを気遣ってくれるひとはいない。

もう、このまま気を失い、そして息も切れたらいい。そう、眠るように死んでしまえたらいい・・・もう、本当に疲れた。」

そのまま、息も深く長くなり脳波を意識するとα波からθ波に。

なんとも心穏やか。こうして人は死んでいくのかなあ・・。

気が遠のいていきました。

まもなく、遠くに音が聞こえました。

「ああ。救急車だ。そうか私もここで死んだ場合、発見されると救急車でどこかへ運ばれて・・・。え?そうしたら子供達はどうなる?そうだ、まだ死ぬことは出来ない・・」

その時でした。

リクライニングした運転席の足元と、そして肩の辺りに人の気配を感じました。

つづく

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