親の恩は子へ(1)

ある年の年末に開催したセミナーで、「どのような存在が今、見守ってくれているのか」を伝えられるようにと、参加者全員へのメッセージを受け取ったことがあります。

参加者のご先祖様や参加者のご先祖様に生前助けてもらったという人達、

また、生まれた時に両親が報告とご加護の祈願をしたであろう産土神社の主、

今住んでいる土地の神社の主、幼い頃から見守ってくれていた大きなご神木、

家族や自分が可愛がっていたペットなどが

はっきりとした形で現れるメッセージを受け取りました。

彼らは自分が見守っている人達に『自分の思い』を伝えるように、と望んでメッセージを伝えてきました。

大変な作業になるので躊躇しましたが、この時は一人一人に書き記して渡す事にしました。

パソコンにそれぞれのメッセージを打ち込んでいると、ふと、脳裏を横切るものがありました。

昔、私の母が言っていた『親の恩は子へ』という教えです。

『むかしむかし、ある商人が困っていた。そこを通りかかったどこかのご主人が親切にして下さり命拾いしたけれど、その方になかなか恩返しが出来ずにいた。いつか立派になってお礼をしようと頑張ったが、恩を返せぬうちにその方が他界されてしまった。ところがある日、恩人の子どもさんとお孫さんが困っていると知り、あの時に救っていただいたお礼にと手をさしのべる。そしてその助けられた人達がまた、人を助けていく』というお話でした。

「感謝」も「憎しみ」も子孫にまで及ぶのであれば、人さまには喜ばれる事をしましょう、という親の教えでもあったのです。

つづく

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