猫の愛(1)


私達人間は、人間がこの世を全て支配していると思いがちです。
すべての存在に意識があること、あらゆる存在に私たちは生かされていることを、つい忘れがちになります。

紅葉の美しい季節になりました。

自然からの贈りものも素晴らしいですが、今日は改めて、生き物たちからの贈り物のお話です。

電話でセッションした30代Aさんからのご相談です。
いくつかの質問に答えた後、「それから・・後ひとつ、猫のことですが聞いてもよろしいでしょうか?」と申し訳なさそうに聞かれました。

内容は、ずっと一人住まいだったお母様が、この度入院することになりました。
入院が決まった頃、お母様の飼い猫ミーちゃんの体調がひどく悪くなったそうです。ミーちゃんも急遽、犬猫病院に入院して手術をすることになりました。


Aさんはここまで一気に話し、少し声を落としてこう言われました。


Aさん「ところが、この子が元気になってしまって退院することになってしまいました。」
白 河「えっ?元気になってしまっては困るの?」
Aさん「いえ、あのう、私自身の気持ちとしては、ミーちゃんは孤独な母を、ずっと癒していてくれた一番の理解者なので、引き取りたいのです。ですが、私の息子が猫アレルギーで無理なのです。入院している母の所にも連れて行けませんし。母には悪かったのですが・・」と泣きだしてしまいました。

そして「悪いと思いながら、ミーちゃんを・・・ミーちゃんを殺処分してもらいました。絶対にダメと思ったのですが・・・。母が命よりも大切にしている大事なペットでした。先生、私は悪いことをしてしまいました。母の傍を離れずに、ずっと見守っていてくれたのはミーちゃんだったのに、申し訳なさでいっぱいです。私、母と、あの子に恨まれても仕方ありません。覚悟はしていました。けれど、苦しくてたまりません。罰があたったりしませんでしょうか?詫びたいのですが、どうしたら良いでしょうか?」

つづく

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