A君(3歳)からママへのメッセージ(4)

「実は・・やっぱりねぇ。そうなんです。息子は、プロペラとか、回るものが大好きでした。3歳なのに、おもちゃには見向きもせずに興味のあるものといえば何故か、キッチンの換気扇、家庭用エアコンの室外機、それから…そうそう、扇風機です。後は大きなショッピングモールに取り付けられている空調機の大型室外機も大好きで、そこから離れませんでしたね。

3歳のお誕生日にトイザラスに行って「好きな物を選んでごらん」と言ったら、さんざん時間をかけて結局、手のひらサイズの扇風機を手に取り見つめていたんです。「それが欲しいの?」って聞いたら嬉しそうに「うん」って。主人と、思わず笑い出してしまいました。

誕生日のお祝いの、手のひらサイズの扇風機を抱きしめて帰る時の顔は、それはそれは幸せそうでした。

幼稚園に行く事が決まった時には、園の先生にしっかりと、念を押したくらいです。

「この子は、どういう訳か、おもちゃなどには一切興味を示しません。好きな物はプロペラ類です。ビックリなさらないで下さいね。」と。

入園すると先生からのお便りにはこう書いてありました。

『Aくんは園舎のプロペラを飽きずにずっと見ています。』

プロペラの他にもコンセントが大好きでした。あのコンセント好きは何だったのだろうと今でも不思議です。

彼の遊びは、コンセント同士を繋いでいくのですが、ジョイント部分のみにBブロックを使っていました。それ以外はBブロックには見向きもしません。彼にとっては、他の物は道具でした。」

白河「A君は、プロペラの原型になるものや動き、そして働きを観察したくて、今の地球に来ました。進化しすぎたところではもう一度、基本になるものが必要なのです。

肉体が無くなることは私達には寂しく辛く感じますが、魂はそのまま生きていますので、彼にとって両親の所も、天国の先生のところも変わりはないようです。

彼の魂の目的は、プロペラの基本を見ることと、家族に愛を伝えること。そのことが出来たので、もうこの星にいる必要は無かったようです。」

ママ「今思えば、本当に彼は3年間の予定だったのかもと思う節がいっぱいあります。亡くなる前日、集団で歩く小学生に向かって、走る車のチャイルドシートから身を乗り出す勢いで、窓から『バイバーイ、バイバーイ!!お兄ちゃんたちバイバーイ』と何回も大きく手を振っていました。そんな事は今まで1回もなかったのです。きっと小学生にはならないということだったのでしょう。

もともと、パパの事も大好きっ子でしたが、亡くなる前の1週間は「どうしたの?」というくらいベッタリで全く離れようとしませんでした。その時は「パパと遊んであげているのね・・」と私は仲良し親子を見つめていました。

月日が経ち、少しずつあの子のいない日々を受け入れることが出来つつあります。

つづく

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